ゲルマニスティネンの会関東支部研究発表会のご案内

2021年度関東支部研究発表会をオンラインで開催します。会員でない方も歓迎ですので、奮ってご参加ください。

日時:11月6日(土)14:00~16:00

ZOOMを使用したオンライン開催

発表① 橋本 由紀子(東京理科大学非常勤講師)

題目:声を上げるスイス女性像―コミック『連邦警官ショッホ―赤いとんがり帽子作戦―』における女性キャラクターを手がかりに―(仮)

発表②桑原 ヒサ子 (敬和学園大学名誉教授)

題目:政治宣伝に利用されるドイツのクリスマス ~1870年から1930年代はじめまで~

ZOOM情報は、ゲルマニスティネンの会会員の方にはすでにメーリングリストでお知らせしています。会員でない方の場合には、申し込みのあった方に個別にお知らせいたします。

参加ご希望の方は、11月5日(金)までに

飯田   iidasumiko56(アットマーク)gmail.com

までご連絡いただきますようお願いいたします。((アットマーク)の部分は@に置き換えてください。)

関東支部 鈴木芳子さんの対談が収録された『私が本からもらったもの 翻訳者の読書論』(駒井稔編著)が発売されました

関西支部の横山です。

関東支部の鈴木芳子さんの対談が収録された『私が本からもらったもの 翻訳者の読書論』(駒井稔編著)が書肆侃侃房から2021年10月に発売されました。

さっそく読みましたので、紹介させていただきます。

編著者の駒井稔さんによる鈴木芳子さんとの対談は「第1夜」に収められています。

鈴木さんはこれまで、ショーペンハウアーの『読書について』や『幸福について』をはじめ、数多くの翻訳を出版され、また翻訳賞も受賞されています。

そんな鈴木さんが子どもの頃から、どのような作家や作品に影響を受けてきたのか、それを垣間見られるだけでもとても興味深いのですが、鈴木さんの読書歴や読書観の原点となったお父さまの話がとてもユニークで(駒井さんのことばでいえば「シュール」で)印象的です。

ネタバレになるのでここには書きませんが、鈴木さんの「より良い人生を歩むための三つのK」は、鈴木さんのお姿を知っているため、なおさらかなりの衝撃でした。ぜひこの本を手に取って、お確かめください。

また「第7夜」は、最近ではドイツの推理小説を精力的に翻訳されている酒寄進一さんとの対談になっています。200冊以上翻訳したなかで、酒寄さん自身がベストワンとして挙げているクラウス・コルドンのベルリン三部作は、ナチス・ドイツとは何だったのかを考えさせられる、ジュブナイルの枠に収まらない優れた作品であると思います。

読書が楽しみとしてあるだけではなく、私たちの人間形成にも深くかかわっているということを、自分自身のこれまでの読書歴を思い出しながら、改めて認識することができます。

ここ数日で突然夏から秋に季節が変わりましたが、本書に登場する数多くの面白そうな、あるいは懐かしい、あの本やこの本を手に取って、読書の秋を楽しみたいと思います。(横山 香)

駒井稔編著『私が本からもらったもの 翻訳者の読書論』(出版社リンク

  • 四六判、並製、232ページ
  • 定価:本体1,700円+税
  • ISBN978-4-86385-487-1 C0095
  • 装幀:成原亜美
  • 装画・挿画:土屋未久

【目次】

  • はじめに   駒井稔
  • 第1夜 鈴木芳子(ドイツ文学)
  • 第2夜 貝澤哉(ロシア文学)
  • 第3夜 永田千奈(フランス文学)
  • 第4夜 木村政則(英米文学)
  • 第5夜 土屋京子(英米文学)
  • 第6夜 高遠弘美(フランス文学)
  • 第7夜 酒寄進一(ドイツ文学)
  • 第8夜 蜂飼耳(日本文学)
  • あとがき   駒井稔