関東支部 鈴木芳子さんの翻訳によるヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ『イタリア紀行』が光文社古典新訳文庫より、2021年12月に上下二巻同時刊行されましたので、お知らせいたします。
ドイツ語学・文学・文化の研究と教育にかかわる女性研究者の会
問い合わせ:東京女子大学女性学研究所 iws@lab.twcu.ac.jp
2021年度関東支部研究発表会をオンラインで開催します。会員でない方も歓迎ですので、奮ってご参加ください。
日時:11月6日(土)14:00~16:00
ZOOMを使用したオンライン開催
発表① 橋本 由紀子(東京理科大学非常勤講師)
題目:声を上げるスイス女性像―コミック『連邦警官ショッホ―赤いとんがり帽子作戦―』における女性キャラクターを手がかりに―(仮)
発表②桑原 ヒサ子 (敬和学園大学名誉教授)
題目:政治宣伝に利用されるドイツのクリスマス ~1870年から1930年代はじめまで~
ZOOM情報は、ゲルマニスティネンの会会員の方にはすでにメーリングリストでお知らせしています。会員でない方の場合には、申し込みのあった方に個別にお知らせいたします。
参加ご希望の方は、11月5日(金)までに
飯田 iidasumiko56(アットマーク)gmail.com
までご連絡いただきますようお願いいたします。((アットマーク)の部分は@に置き換えてください。)
関西支部の横山です。
関東支部の鈴木芳子さんの対談が収録された『私が本からもらったもの 翻訳者の読書論』(駒井稔編著)が書肆侃侃房から2021年10月に発売されました。
さっそく読みましたので、紹介させていただきます。
編著者の駒井稔さんによる鈴木芳子さんとの対談は「第1夜」に収められています。
鈴木さんはこれまで、ショーペンハウアーの『読書について』や『幸福について』をはじめ、数多くの翻訳を出版され、また翻訳賞も受賞されています。
そんな鈴木さんが子どもの頃から、どのような作家や作品に影響を受けてきたのか、それを垣間見られるだけでもとても興味深いのですが、鈴木さんの読書歴や読書観の原点となったお父さまの話がとてもユニークで(駒井さんのことばでいえば「シュール」で)印象的です。
ネタバレになるのでここには書きませんが、鈴木さんの「より良い人生を歩むための三つのK」は、鈴木さんのお姿を知っているため、なおさらかなりの衝撃でした。ぜひこの本を手に取って、お確かめください。
また「第7夜」は、最近ではドイツの推理小説を精力的に翻訳されている酒寄進一さんとの対談になっています。200冊以上翻訳したなかで、酒寄さん自身がベストワンとして挙げているクラウス・コルドンのベルリン三部作は、ナチス・ドイツとは何だったのかを考えさせられる、ジュブナイルの枠に収まらない優れた作品であると思います。
読書が楽しみとしてあるだけではなく、私たちの人間形成にも深くかかわっているということを、自分自身のこれまでの読書歴を思い出しながら、改めて認識することができます。
ここ数日で突然夏から秋に季節が変わりましたが、本書に登場する数多くの面白そうな、あるいは懐かしい、あの本やこの本を手に取って、読書の秋を楽しみたいと思います。(横山 香)
駒井稔編著『私が本からもらったもの 翻訳者の読書論』(出版社リンク)
【目次】
関東支部会員の中込啓子さん翻訳のエルフリーデ・イェリネク(ノーベル賞受賞作家)『ピアニスト』の 新訳が、この3月に刊行されました。
新しく生まれ変わった名著をお一人でも 多くの方に読んでいただきたく、ご紹介申し上げます。
エルフリーデ・イェリネク『ピアニスト』鳥影社 2021年3月15日発行
価格 2860円(税込)512ページ
ISBN 978-4-86265-832-6
2020年度関東支部研究発表会をオンラインで開催します。ゲルマニスティネンの会会員でない方も歓迎ですので、奮ってご参加ください。
日時:11月14日(土)14:00~16:00
ZOOMを使用したオンライン開催
発表①大倉子南(学習院大学大学院博士課程)
題目:20世紀前半のドイツにおける「文字景観」の研究に向けて―ドイツ文字とラテン文字の使用実態を可視化する試み
発表②大貫敦子(学習院大学教授)
題目:セクシュアリティの自由と優生思想の狭間で―ヘーレネー・シュトゥッカーの「矛盾」
ZOOM情報は、申し込みのあった方に個別にお知らせいたします。 参加ご希望の方は、11月13日(金)までに飯田
iidasumiko56(アットマーク)gmail.com
までご連絡いただきますようお願いいたします。((アットマーク)の部分は@に置き換えてください。)
会員で本会世話人の桑原ヒサ子さんが、これまでの研究をまとめた著書を刊行されましたので、ご紹介いたします。
桑原 ヒサ子『ナチス機関誌「女性展望」を読む 女性表象、日常生活、戦時動員』青弓社、2020年9月
432頁、4800円+税
ISBN978-4-7872-2090-5 C0020
1932年から敗戦直前まで発行されたナチスの機関誌「女性展望」は、当時の女性雑誌市場で第一位の販売部数140万部を記録した。この雑誌は、ナチ・女性団のエリートから成る全国女性指導部の「新聞・雑誌・プロパガンダ」部門が編集・発行した女性雑誌として、社会的・文化的領域で「理想的な」女性像を伝達する有力メディアのひとつだった。
本書は、官製女性雑誌のために戦後ドイツの記憶から消し去られた「女性展望」を掘り起こし、ナチス支配下に生きた女性たちの全体像を再構成する試みである。300点の貴重な図版を所収する。
目次
はじめに [試し読み:https://note.com/seikyusha/n/n0e25829ddc65]
第1部 「女性展望」が描く女性像と日常生活
第1章 表紙から明らかになるジェンダーとその揺らぎ
第2章 多様な母親表象とナチ女性団の「民族の母」という概念
第3章 連載小説とその作家たち
第4章 ファッションと料理のページから再構成する第二次世界大戦下の暮らし
第5章 広告が描き出す日常生活と女性
第6章 広告ページに掲載された生徒・学生募集広告が伝える女子教育機関――女子寄宿学校、家政学校、女子農業学校、社会教育・福祉学校、語学学校、単科大学、工業学校、看護学校
第2部 イメージ表象と女性の戦時動員
第7章 「女性展望」が伝える味方と敵の表象
第8章 「女性展望」が伝えるヒトラー像
第9章 ドイツ人女性の戦時活動――銃後から前線まで
第10章 ドイツ人女性兵士は存在しなかったのか――国防軍女性補助員の実態
第3部 ドイツ人女性の社会進出と敗戦
第11章 全国女性指導者ゲルトルート・ショルツ゠クリンクとドイツ人女性の社会活動――公的イデオロギーと女性の地位向上のはざまで
終 章 敗戦――女性雑誌「コンスタンツェ」に描かれた敗戦直後のドイツ人女性
おわりに
ドイツ語対照表
関連年表
2020年度の総会が中止になりました。
以下のお知らせはメーリングリストにも流していますが、まだ参加されていない方には個別のメールアドレス宛にお送りしました。
もしメールが届いていないということなどあれば、広報・ML担当横山までご連絡ください。
kouhou[@]germanistinnen.sakura.ne.jp
[@]を半角アットマークに変えてください。
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2020年度ゲルマニスティネンの会総会中止のお知らせ
会員のみなさま
薫風香る季節となりました。
ですが、今年はいつもと違う5月です。新型コロナウィルス感染予防のために緊急事態宣言が延長されるなか、みなさまお元気でお過ごしでしょうか。
日本独文学会の今年度の総会および春季研究発表会が中止になることは、すでにご存じのことと思います。本会の総会も通常、学会の会場をお借りして開催しておりました。なんとか総会を開けないものかと、世話人会でも願っておりましたが、現況を考えれば、中止にするほかないとの結論に達しました。
ここにご報告申し上げ、ご理解をお願いする次第です。
なお、例年の総会で説明いたします2019年度会計報告ほか報告事項については、報告文書を作成し、資料を添付して、総会が予定されていた6月上旬にお届けしたいと考えております。
また、Flaschenpost Nr. 41の完成は間もなくです。発送についても新型コロナウィルス対策で、なかなか人数が集まって作業ができませんが、順番にお届け致しますので、もう少しお待ちください。
今年は、総会でみなさまにお目にかかれず残念ですが、今は感染が少しでも早く終息するよう、みんなで努力する時期かと存じます。日常生活のさまざまな変更や心配事もおありだと思いますが、どうぞ、くれぐれもご自愛くださいますよう世話人一同お祈り申し上げます。
世話人:木戸紗織・植朗子(編集)、横山香・前田織絵(広報)
寄川真弓(会計)、香月恵里・桑原ヒサ子(庶務)
関東支部の鈴木芳子さんからの情報です。
光文社は、古典新訳文庫の5タイトルを期間限定(4月末まで)で、 「本がすき。」サイトで無料公開しています。
https://honsuki.jp/stand/28715.html
鈴木芳子さんが訳されたショーペンハウアー『読書について』も公開されています。
新型コロナ感染拡大により大変な時期ではありますが、先人の知恵や思想に触れる時間を作るのもよいかもしれません。